店舗にてフロントのタイヤ交換をしてもらった後、ブレーキキャリパーを取り付け走ってみるとディスクローターを引きずるような音が発生しました。(以前GPZ1000RXも同様のことがあり、店舗にてタイヤホイールごと交換してもらい、いざ乗って帰ろうとするとこの引きずりが発生し、ブレーキキャリパーのオーバーホールを勧められたことがありました)

引きずりの原因の1つにはタイヤ交換時にディスクローターに負荷がかかり歪んだということも考えられますが、店舗でタイヤ交換してもらっているのでそれはまずないだろうし、もし簡単に歪むようであればローターの厚みがかなり細くなっていることが考えられます。一度知らずに歪んだディスクローターを取り付けて走ったことがありますが、ブレーキをかけた時の震動が半端ではありませんでした。従ってこれではないと思われます。

もう1つはブレーキキャリパー内ののピストンの周りにゴミなどが付着しスムーズに動かず固着してしまうこと原因です。これを完全に解消するにはキャリパ自体のオーバーホールが最も有効な手段です。

しかし、軽微な場合であればオーバーホールせずともピストンを出せるところまで出した状態で全体的な清掃も含めピストンの周りのゴミなどを除去(拭き取りあるいはブレーキクリーナーでゴミを吹き飛ばすなど)すれば解消できる可能性があります。

今回はこの方法でやってみました。もともとこの車体には純正のキャリパーではなくブレンボのキャリパーが装着されていたので写真掲載はブレンボのキャリパーですが他のキャリパーでも基本的な方法は同じだと思われます。

まずキャリパーを外しパッドを取り外せるようにパッドピンを抜きます。このタイプのパッドピンは簡単に抜けないように根元にスプリングが入っています。また、錆びもあり固着してなかなか抜くことができませんでした。
そもそもフロントブレーキパッドはリアに比べてあまり減らないので交換していなかったこともあり、確かにメンテナンス不足でした。
パッドピンを抜く

次にディスクローターよりも細い金属を挟み、ピストンが出る様子を見ながらブレーキレバーを握ります。ピストンが十分出た所でこの金属を抜き、特にピストン周りの清掃を行います。ピストンの動きを見ていると右側2つのピストンが出にくいようだったので集中的にブレーキクリーナーと綿棒で清掃しました。
ピストンを出して清掃

今回はこれでブレーキの引きずりが解消されました。今のところパッドの片方が極端に減っている様子はないものの定期的なメンテナンスが今後も必要と思われます。

しかし、固着が酷い場合、ブレーキレバーを握ってもピストンは動かず、無理やり動かすと周りのOリングシールが破損しブレーキオイルが漏れだすこともあります。この場合はオーバーホールが必要となります。あるいは、オークションなどでZZR1100に合致するフロントブレーキキャリパー良品と思われるものを落札し交換するという方法もあります。