温泉には色々な泉質があり、それによって効能も違ってきます。しかしその効能も2日ないし3日の一般的な旅行で効果を期待するのは少々無理があると考えられます。というのは、本格的に治療のために(効能の効果を期待するために)温泉に行く場合は少なくとも一週間以上の日程で行く必要があります。

一般の旅行で温泉効果というのはむしろ、精神的な面でゆったりとした気分になることで、リフレッシュできそのことによって体が元気になるという効果のほうが絶大ではないかと思います。実際、温泉に入った後はすごく気持ちがいいものです。このことが元気の元になるのは言うまでもありません。

効果が期待できないとは言うものの、どうせ入るのであれば、いい温泉に入りたいものです。勝手な温泉の選択方法を自分なりにこう思っています。

できるだけ 人の少ない時期に温泉へ行きたい

以前キャンプ場の近くの温泉で、夏休みが重なり人たくさんの入浴者がいました。そのとき、底がヌルっとしてたのです。これは人が多すぎてヌルっとしているのか、それとも温泉の成分でヌルっとしているのかわからないまま入浴したのですが、やはり、気持ちよく入れる時期、場所を選ぶべきだと思います。

できるだけ かけ流しの温泉に行きたい

これは常に新しい温泉水が入ってくるので本当に気持ちいいものです。(北海道知床カムイワッカの湯、富山県立山室堂の温泉、長野県野沢温泉等はそうでした。旅行に行くときに温泉なのかどうかも含めそのあたりも調べておけば楽しいものとなります)
※余談ですが、有名温泉宿に入りたいが、予約がいっぱいで入れない、あるいは費用が足りなくて入れないという場合は、日帰り入浴が可能であれば近くのビジネスホテルあるいは民宿で宿泊しその施設を利用するのも1つの手段です。

■温泉泉質と効能(参考に)

●共通効能

神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺関節のこわばり、うさみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進

●炭酸水素塩泉

温泉水1kg中に含有成分が1000mg以上あり、陰イオンの主成分が炭酸水素イオンのものです。陽イオンの主成分により、ナトリウム-炭酸水素塩泉やカルシウム-炭酸水素塩泉、マグネシウム-炭酸水素塩泉などに分類されます。入浴すれば、皮膚の脂肪や分泌物を清浄化するので肌が滑らかになり、「美人の湯」とよばれる温泉があります。
代表的な温泉 ; 登別温泉(北海道)、別府温泉(九州)
効能:きりきず やけど 慢性皮膚病 美肌 など

●塩化物泉

温泉水1kg中に含有成分が1000mg以上あり、陰イオンの主成分が塩素イオン(Cl+)のものです。陽イオンの主成分により、ナトリウム-塩化物泉、カルシウム-塩化物泉、マグネシウム-塩化物泉などに分類されます。入浴すれば、皮膚に塩分が付着して汗の蒸発を防ぐため、保温効果があります。このため、食塩泉には「あたたまりの湯」とか「熱の湯」といわれるところがあります。入浴後は水滴を洗い流さず、成分を肌に定着させることです。
代表的な温泉 ; 熱海温泉(静岡県)、片山津温泉(石川県)
効能:きりきず やけど 慢性皮膚病 虚弱児童 慢性婦人病 など

●硫酸塩泉

温泉水1kg中に含有成分が1000mg以上あり、陰イオンの主成分が硫酸イオンのものです。陽イオンの主成分により、ナトリウム-硫酸塩泉、カルシウム-硫酸塩泉、マグネシウム-硫酸塩泉などに分類されます。カルシウム-硫酸塩泉(旧泉質名で「石膏泉」と呼ばれていたもの)は、「きずの湯」などとよばれ、きりきず・やけどに効果があるといわれる温泉が多いようです。
代表的な温泉 ; 天城湯ヶ島温泉(静岡県)、法師温泉(群馬県)
効能:動脈硬化症 きりきず やけど 慢性皮膚病 など

●単純温泉

泉温が25℃以上で、温泉水1kg中に含有成分が1000mgに満たないものです。pH8.5以上のものをアルカリ性単純温泉と呼んでいます。一般的に体に対して刺激が少なく、利用範囲の広い温泉です。
効能:共通効能全て

●含鉄泉
温泉水1kg中に総鉄イオン(Fe2++Fe2+)(鉄1または鉄3)を20mg以上含有するものです。 陰イオンによって炭酸水素塩型と硫酸塩型に分類されます。温泉が湧出して空気に触れると、次第に鉄の酸化が進み赤褐色になる特徴があります。含鉄泉は、兵庫県・有馬温泉などでみることができます。また、鉄の含有量が10mgに達していない場合などは、炭酸水素塩泉や硫酸塩泉等に分類されますが、鉄の酸化によって温泉水の色は含鉄泉と同様に赤褐色や茶褐色になります。
代表的な温泉 ;有馬温泉(兵庫県)
効能:月経障害など

●含アルミニウム泉
温泉水1kg中に含有成分が1000mg以上あり、陰イオンとして硫酸イオン、陽イオンとしてアルミニウムを主成分とするものです。アルミニウム・鉄(2)-硫酸塩泉(旧泉質名で「明礬泉」と呼ばれていたもの)は、群馬県・万座温泉などにみられます。
代表的な温泉 ;万座温泉(群馬県)
効能:慢性皮膚病など

●硫黄泉
温泉水1kg中に総硫黄2mg以上含有するものです。単純硫黄型と硫化水素型に大別され、わが国では比較的多い泉質です。タマゴの腐敗臭に似た特有の臭いは、硫化水素によるものです。酸化されると黄白色のイオウの沈殿を生ずるので、浴槽の湯の中に浮かんで見えることがあります。また、ガス噴気孔のまわりにもイオウの結晶が見られます。
代表的な温泉 ;野沢温泉(長野県)、乳頭温泉(秋田県)
効能:慢性皮膚病 慢性婦人病 きりきず 糖尿病など

●二酸化炭素泉
温泉水1kg中に遊離炭酸1000mg以上を含むものです。入湯すると全身に炭酸の泡が付着します。わが国には比較的少ない泉質です。飲用すると炭酸の爽やかな咽越しが楽しめます。
代表的な温泉 ;湯屋温泉(岐阜県)、長湯温泉(大分県)
効能:切り傷 火傷 動脈硬化症など

●酸性泉
酸による殺菌力が強いのが特徴で、肌への刺激も強い。
代表的な温泉 ;酸ヶ湯温泉(青森県)、草津温泉(群馬県)
効能:慢性皮膚病 水虫など