チュンエク負の歴史(カンボジア)

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2014/8/21 11:29 投稿者:  kuromame  (記事一覧)  [ 3296hit ]

入場して最初にある建物
入場して最初にある建物
埋葬場所
埋葬場所
マジックツリー
マジックツリー
 
シェムリアップからローカルバスで約8時間、カンボジアの首都プノンペンにやってきました。到着した日の夜、宿泊する宿の前でトゥクトゥクのおっちゃんにキリングフィールドへ行かないかと言われたので翌日行ってみる事にしました。キリングフィールドとは30年ほど前まで刑務所と処刑場として使われていた場所。でもどこにでもある刑務所ではありません。カンボジアは1975年から約4年間ポルポトという人物が操るクメールルージュという組織(一応は党)に支配されていました。このポルポトの考えは階級がない時代、つまり原始時代の様な生活に戻してしまおうというもの。

そして国民にはただひたすら農業だけをやらせようと考えてそれを実行しました。まずポルポトはプノンペンや栄えている街に住む人々を田舎へ追いやり農業を強要させました。逆らう者は即処刑。教師や医者など知識を持つ人、手が荒れていない人も農業をしていないという事で同上。だんだんエスカレートしていき、眼鏡をかけている人や美男美女というだけでも殺されました。めちゃくちゃすぎて意味がわかりません。そのような人達が犯罪者として連れて来られたのがキリングフィールド。キリングフィールドは国内にいくつかあるけど僕らが行ったのは1番有名なチュンエクという所。

入場して最初にある建物。この建物の中はここは殺された人の骸骨が納骨されています。ここでは人間がする事とは思えないような壮絶な事が行われていました。あまりにも残酷なので一部だけ紹介します。気分が悪くなるかもしれないので知りたくない人は以下の内容は読まないで下さい。

敷地内にある建屋。ここは約400人の人が殺され、埋められている場所。殺された人のほとんどが罪のない人達。カンボジアでは銃弾が高価すぎて大量には買えず、処刑に銃は使用されていませんでした。だからスコップや金属製の棒で撲殺、木に頭を叩きつけるなどの方法で処刑が実行されました。

この木はマジックツリーと呼ばれる木。この木にラジカセをぶら下げて大音量で音楽を流し、牢獄中の人々に殺される人の断末魔を聞かせないようにしました。それも明るい民謡の様な音楽を。マジックツリーの近くにはキリングツリーと呼ばれる大木があります。たくさんの幼い子供や女性がその木に頭を叩きつけられて殺害された事でそう呼ばれています。

入場時に受付で日本語のヘッドホンを借りてこのキリングフィールドについて詳しい説明を聞いたけど言葉を失うような内容ばかりでした。この時のカンボジアは完全に鎖国状態だったので他国もカンボジア国内で何が起こっているか全くわからなかったそうです。このポルポトは最終的に亡命したけど、ポルポトが支配していた4年間でカンボジアは人口が3分の2にまで減ってしまいました。たった4年で国内の約3人に1人が殺されたということ。それも同じカンボジア人の手によって。

今のカンボジアを見ているとこんな事がほんの30年ほど前まで行われていたなんて信じられなかった。なんでこんな事が起こったのか本間にわからない。そのせいで今もまだ字が読めない人もたくさんいます。街中では混乱した時代を生き抜いたであろう世代の人達が明るく振舞ってたけどそんな辛い経験をしていたんだと知るととても複雑な気持ちでした。

そして今のカンボジアの子供達も字が読めないこが多い。学校に行きたくても行けない子供達がたくさんいてそれを助けようとしている人が世界中にいます。実際カンボジアのために仕事を辞めて全てを注ぎ込んで支援している人もたくさんいました。人間って善の部分も悪の部分もいくらでも出せる生き物なんだと改めて思った日でした。
 
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