共産主義との平和思想の違い

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なし 共産主義との平和思想の違い

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 .2 | 投稿日時 2020/12/3 21:38 | 最終変更
タツ  管理人   投稿数: 2400 オンライン
一般的な認識では独立している(領土を確保し、政治経済的に自立している)民族に対して武力あるいは武力を背景に接収することを侵略と考えますが、共産主義を根底とする社会主義国はいわゆる民族の開放と考えているのです。
例えばチベット侵攻では、チベットおよび西側諸国では、この併合を「侵略」としているが、中国共産党は「西蔵人民」の「帝国主義侵略勢力および国民党反動勢力」からの「解放」と位置づけている。あるいは亡命チベット人のペマ・ギャルポは「チベットは歴史が始まってからずっと独立国家であった」と主張する。一方、中華人民共和国内では、この事件を、「チベットの平和的な解放」と呼んでいると全く相反する思想です。では中国共産党はどういう思想をもっているのだろうかという疑問が湧いてきました。
 
■中国共産党の平和概念
引用:
「広島平和科学」10 (1987)
中国の平和教育(久留島幹夫著) 1987年 https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/1/15178/2014101612282718144/hps_10_125.pdf
131~132ページ抜粋
思想政治教育は,学校教育全体を通じて行われるもので,各教科はもちろん,課外活動もすべて,思想政治教育と結び付けられている。思想政治,道徳教育を専門に行う教科として,小学校で,思想品徳科があり,五愛(祖国,人民,労働,科学,社会主義を愛する)を中心とした共産主義思想品徳教育を行っている。中学では政治科が設けられており,初級中学(中学校)では各年次毎に「青少年修養」,「法律常識」,「社会発展略史」が教えられ,高級中学(高等学校)では,「政治経済常識,「弁証唯物主義常識」が講じられている。

これらの教科における平和の取り扱いであるが,典型的なのは「青少年修養」の愛国主義を語る次の部分である。
「祖国を愛すること,それは祖国を防衛する栄えある責務を担うことという志を立てることから始まる。世界には,まだ帝国主義,覇権主義,植民地主義が存在しており,我々は不断に国防力を強化し,我が社会主義国家を防衛しなければならない。覇権主義に対し,世界平和を擁護することは,今日の世界人民の最も重要な任務である」
このように,愛国,祖国防衛,世界平和の用語が同列に並んでいる。生徒は,これをどのように学ぶのか,その結論をテストの解答で見てみよう。高校入試の政治分野で出題された「新しい歴史時期に於ける愛国主義の内容とは何か?」という質問に対する模範解答は,「①社会主義現代化建設を推進する,②台湾を含む祖国の統一を図る,③覇権主義に反対し,世界平和を擁護する」ということである。言い換えれば,祖国の富強を図り,中華民国の民族尊厳を守り,同じ民族の尊厳を守ろうとする者を支援するということになる。ここで言う世界平和とは,戦争をなくすることを意味ではなく,抑圧された民族の為に闘うことを意味する。平和は,軍隊により守るものだと考えられている。
つまり、一般的には侵略とみなされることも、共産主義を根底とする社会主義国にとっては民族の開放であり、それが世界平和だと考え正しいことをしているという認識なのです。
 
■武力侵攻の実際
例えば、中華人民共和国によるチベット併合- Wikipediaにはこんな記述があります。
引用:
中国共産党、「チベット併合」を発動
毛沢東率いる中国共産党は国共内戦に勝利し、1949年10月1日に中華人民共和国の建国を宣言した。その6週間後に、中国人民解放軍が、ガンデンポタンの勢力圏の東部境界付近に集結しているという報告があった。ついで中国政府は、ガンデンポタンの勢力圏への侵入に着手する。1950年1月1日に、中国国際放送(ラジオ北京)は「パンチェン・ラマ10世の要請により、中国人民解放軍はチベットを解放する用意がある」と放送した。サムドン・リンポチェおよびダライ・ラマ14世はこれを「中華人民共和国側の一方的な『約束』である」、と主張している。さらに1月7日に中国人民解放軍は「チベットの同胞の解放を開始する」ことを宣言し、中国軍の侵攻は避けられないものとなった

さらに、対象国が弱体化していれば国家間の約束事は関係なく武力侵攻するという特徴があります。日ソ中立条約を破り1945年8月8日に弱体した日本に侵攻したスターリンのソ連軍、1948年朝鮮戦争で圧倒的な武力がある北朝鮮が韓国へ侵攻したこともその1つでしょう。国家間の約束事よりも思想が優先されるのです。

これらのことは、最近、2014年ロシアが弱体化したウクライナのクリミア半島にロシアが武力によって侵攻(侵略)した思想(理由)とよく似ています。
1.クリミアは元々ロシアの領土である。
2.クリミア半島の住民はほとんどロシアへの帰順を希望している
というのが理由です。さらに、この武力侵攻は、1994年12月5日のブダペスト覚書(約束)も無視されているのです。
引用:
ブダペスト覚書
1994年12月5日にハンガリーのブダペストで開催された欧州安全保障協力機構(OSCE)会議で署名された政治協定書で、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナが核不拡散条約に加盟したことに関連して、協定署名国がこの3国に安全保障を提供するという内容。アメリカ合衆国、ロシア、イギリスの核保有3カ国がこの覚書に署名。また中国とフランスは別々の書面で若干の個別保障をしている
同覚書はセルゲイ・ラブロフ(ロシア連邦の外交官・政治家。2004年3月から4代目ロシア連邦外相。他国の間では強硬な外交姿勢を取る人物として知られている)ほかの署名のもと国連へ伝達したものであった

これも所謂「抑圧された民族の為に闘うこと」つまり共産主義を基本とした国の論理なのです。ロシアも旧ソ連からの共産主義思想を受け継いでいるのだと思われます。ウクライナが核という武力を放棄し弱体した国を狙うという点も同じです。

 
■現実的な脅威
残念ながら、現実的に共産主義を根底とする社会主義国にはこういう武力によって領土を現状変更しようとする行為は現在も事実上継続(日本も含め、南シナ海、台湾、インド等)されています。武力の均衡がなく弱体化すれば武力あるいは経済によって領土を侵略されるでしょう。

仮に日本が弱体化し、ロシアがウクライナのクリミア半島に侵攻した時と同じシナリオが使われたとしたならば、クリミア半島を沖縄、ロシアを中国共産党に置き換えてみると、まず沖縄を琉球民族の自治区として形成させ、アメリカ駐留軍を追い出し、もともとは中国の領土だったと主張した上で、武力を背景に住民投票を行い民族の開放と称し沖縄は中国共産党に帰属することになるかもしれません。

あるいは、現在、我が憧れの北海道では広い範囲で中国の土地買収が行われています。
引用:
https://facta.co.jp/article/201912021.html
北海道が中国の32番目の省になる日
李克強、王岐山に続き習近平も「来道」か。中国資本の国土買収の水面下で何が起こっているのか。
2019年12月号 LIFE
by 宮本雅史(産経新聞社編集委員)
中国の動向を長年注視している評論家に豊糠のケースを尋ねると、彼は「中国は20年前から北海道を狙ってきた。移民のためにこれからもどんどん北海道の土地を買っていくでしょう。水源地や農地では農作物を作れるから独自の集落、自治区をつくり、病院や軍隊用の事務所も設置する可能性がある。豊糠はそのテストケースと考えられる。一部メディアでは、北海道は10年後には中国の32番目の省になるとも言われている」と話した。彼の分析を聞いたのは2年前だから、10年後とは27年である。

この買収が今後進んでいくと北海道で多くの住民が中国からの移民となり、もし参政権が与えられたならば、武力、経済を背景に北海道の一部または全域で住民投票が行われ同じく民族の開放と称し中国共産党に帰属することになるかもしれません。その後は中国内の少数民族と同じような扱いを受けることとなるでしょう。さらに、日本全土も同様にとのシナリオが考えられます。この先そうならないことを願っています。

 
■平和とは
日本には、日本国憲法が平和を維持しているという人がいます。しかし、現在の日本国憲法は世界に武力あるいは経済によって領土の現状変更しようとするこういう国が存在しないという前提で初めて効力(平和維持)を発揮するものなのです。従って、現状ではその効力を発揮することはできません。現実的には日本の平和は、現日本国憲法によって維持されているのではなく、武力の均衡(アメリカ軍駐留と自衛隊)によって維持されているのです。

領土侵攻(武力による現状変更)というものはよく国同士の問題を話し合いで解決するという人がいます。しかしながら根本的な平和という認識の違い(侵略とみなすか、民族の開放とみなすか)はどちらも正しいという平行線のままで解決できるものではないのです。ましてや、武力の均衡がなければなおさら解決することはありません。それでも解決しなければ国際社会に訴えるという人もいます。無論、国際社会の賛同を得ることは非常に重要なことですが、実際、クリミア半島侵攻の問題で国際社会が紛争を解決してくれたのかというとそうではないのです。結局、現状況下では自国で守るしかないのです。

平和とは世界各国がそれぞれ独立した他の国の主権を武力あるいは経済によって侵略する意図がない状態になることだと思います。この時に、はじめて現日本国憲法の効力(平和維持)が発揮できるでしょう。

 
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