コメントからみるガザ地区社会状況

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なし コメントからみるガザ地区社会状況

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2024/10/26 8:35 | 最終変更
タツ  管理人   投稿数: 2514
日本では全くニュースにはなっていませんが、ガザ地区で活動を行っているNGO団体HEAL Palestineのプログラムマネーシャー、イスラム・ヒジャジさんが2024年9月27日ガザ地区を支配する武装集団ハマスに惨殺されました。彼女はアメリカでの募金をガザ地区の慈善団体に運ぶ途中、襲撃時に遭い援助資金の引き渡しを拒否したとも言われています。
引用:
援助活動家の悲劇的な死は、ガザの戦後課題を浮き彫りにする 2024年10月24日 https://www.atlanticcouncil.org/blogs/menasource/aid-work-hamas-gaza-postwar-challeng/
ハマスが米国に拠点を置く非営利団体の援助活動員を殺害したとされる事件は、戦後ガザの将来に迫りくる安全保障上の課題を浮き彫りにしている。9月27日、米国非営利団体HEALパレスチナのガザプログラム・マネージャー、イスラム・ヒジャジ氏が、ハンユニスで複数の武装勢力による車上狙いの銃撃を受け死亡した。ハマスは事件を人違いによるものだと主張したが、ヒジャジ氏の家族はパレスチナメディアに発表した声明の中で、信じられない思いを表明した。「人違いによるものの方が衝撃的だった…罪のない魂が無駄にされ、人違いによるだけで彼女の車に90発の銃弾が撃ち込まれるとはどういうことか」。反ハマスのパレスチナ活動家たちもハマスの主張に疑問を呈し、ヒジャジ氏が援助資金をテロ組織に引き渡すことを拒否したため、意図的に標的にされたのではないかと疑っている。

この悲劇的な殺害は、イスラエル国防軍(IDF)がイスラエルに対するハマスの軍事攻撃能力を大幅に削減した一方で、このテロ集団がガザ地区でかなりの治安力を保持していることを如実に示しています。現在、戦闘力の多くが壊滅し、軍事インフラが破壊されたハマスは、国際民間機関や非政府組織(NGO)に対する影響力を行使するなど、以前ガザ地区の支配を強化するために使用したのと同じ暴力的な戦術に頼っています。ハマスがガザ地区の事実上の統治機関となった2007年以降、同グループは慈善団体から組織的に資金をゆすったり流用したり、組織の職員に浸透したりしました。こうした慣行に疑問を呈する者は、暴力と脅迫の脅威にさらされ、服従を強要され、反対意見を封じられました。こうした乱暴な慣行により、ハマスはガザ地区の社会、政治、経済生活のあらゆる側面を急速に支配することができました。さらに、ハマスはメンバーをNGOに組み込むことで、軍事作戦の資金を流用することができました。このアクセスにより、ハマスは組織の建物内や地下に軍事拠点を設置することもできました。注目すべき例として、ハマスによる国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への浸透が挙げられます。UNRWAは年間予算の約30%を米国からの資金に依存していました。2023年10月7日のテロ攻撃後、 UNRWA職員9人が作戦に参加したハマス工作員であることが明らかになり、ガザ市のUNRWA本部地下にハマスの司令センターが発見されました。

この事件は殺害とされていますが、状況から見れば明らかに惨殺です。この件につき慈善団体HEALPalestineがフェイスブックに記事を掲載しています。
引用:
HEAL Palestine 9月27日 4:55 https://www.facebook.com/photo/?fbid=122173578866185895&set=a.122099648678185895
本日、HEAL Palestineはガザにおいて我々のプログラムマネージャーのイスラム・ヒジャージ氏が殺害されたことを発表します。これは深い悲しみとともにあります。彼女は 2 人の幼い子供の母親であり、最高の倫理観とプロフェッショナリズムを備えた人道主義者でした。彼女は「私の立場はガザで人々に奉仕することです」と彼女はHEALで指導者の役割を始めたときに言いました。彼女の名誉にかけて、ヒール・パレスチナは、ガザに敬意を表して、これまで以上にガザへの奉仕に献身的に取り組んでいます。もう停戦だ。

このフェイスブックがどれほど利用されているかについてはハマスの関係者が多く利用していることでも知られ、またスマートフォンも多く普及されているということですので、このコメントを見ることによって社会情勢の断片を見取ることができます。

最初の記事からも分かるように、この集団武装した犯人はハマスということになります。この事を前提としてコメントを見て行くと、その多くが惨殺された被害者に対して慈しむコメントで占められています。

それ以外にも気づく点があります。
・イスラム教という宗教を多くの人が信仰している
・ハマスに対しての批判、犯人の処罰についてのコメントは殆どない。

HEAL Palestineの掲載記事も含め、ハマスに対しての批判、犯人の処罰についてのコメントは殆どないのは以下の理由が考えられます。
・ハマス関係者も多く利用しているフェイスブックでハマスを批判することで報復を受ける可能性があるから
・批判したとしても犯人を処罰する制度がないから。
・ガザ地区では頻繁に発生していることだから諦めている
・多くの人がハマスの中に大義があり社会を構成していることを認めているから
という理由が考えられます。

イスラム教信者は死後の世界の存在を信じる比率が高いことから信仰心が深いことが分かります。イスラム教は神からの訓示を受けた宗教指導者が大義を定めそれに従うことで社会が成り立っています。犯罪に対して日本では法律によって人が人を裁く社会が成り立っていますが、ここでは神が人を裁くという社会が成り立っていると考えられます。

このことを踏まえ、宗教的な観点から考えれば、ハマスの中の大義というものに抗うことは神に抗うことになるという基本的な考えが主流としてあるのではないでしょうか。そう考えればこれだけハマスに対する批判が少ないというのも納得できます。

しかし、いくら宗教色が強いとはいえ、すべての人間をコントロールすることは出来ません。262の法則からその2割の人は反感を持っているというのは有り得る話です。イスラム教において背教(信仰を辞める)することは万死に値するとまで言われています。しかしながら別の信仰を密かに行うことは許されているようです。もし、反感を持った人が行動を起こすとすれば密かにイスラエルのスパイとして行動する可能性は十分にあります。とはいえ、もしハマスが消滅すれば大義というものが無くなり日本で法律がなくなるというくらいに社会が混乱することも想像されます。

最後に、多くの人が思うでしょう、法治社会であれ、宗教社会であれ、なんの罪もない一般人が殺害されるような社会には嫌悪感を感じるでしょう。ところで、この事件、記事には間違いで惨殺されたとのことですが、命がけで守ったお金は返却されたのでしょうか。国連UNRWAを通さず直接持ち込むことに問題があるのでしょうか。
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